地学担当の小原学芸員が那智勝浦町から面白い化石を採集してきました。
先端のとがった螺旋を描くこの化石、ドリルの先端のようにも見えますが、正体はなんなのでしょう?



なんとなくお気づきかとは思いますが、これは巻貝の化石です。
ただし、貝殻がそのまま残っているのではなく、貝殻の中に泥がつまり、そのあとで貝殻だけが溶けてしまったという、
「貝の内側の印象」の化石です。
これがメノウやオパール化したものは「月のお下がり」という通称で、石屋さん(石が好きな人たち)の間では有名です。

残念ながらこの化石はメノウなどではなく砂岩でできていますが、表面をよく見るとキラキラと輝く粒が見えました。
小原学芸員によると、水晶やパイライト(黄鉄鉱)の小さな粒だろうとのことです。

この化石が見つかったのは熊野層群で、およそ1600万年前にできた地層です。
おそらくキイキリガイダマシであろうというとのこと。
同じ貝は紀伊半島西側の田辺層群でも産出するのですが、こちらは綺麗に殻が残っています。
なにか二つの地層で、環境などが違ったのかも知れません。

1500万年以上という、とてつもない時間をへて我々のもとへ現れた化石。
昔の環境や生態系を想像すると、何とも言えないロマンを感じるのは私だけでしょうか?
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