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今日は宿直なので、駐車場と玄関回りののぼり旗を片付けていると、車が一台停まり
「フグを見てもらえませんか?」と言われました。

どれどれ・・・とクーラーの中身を拝見すると、巨大なつぶらな瞳が入っています。

「センニンフグだ!」

この特徴的なシルエットと、長丸い目は他にありません。
時々は捕れるものの、県内ではあまり数の多いフグではありません。
「見たことがないフグなので名前が判ってよかったです。よろしければもらってください。」
ということで寄贈いただきました。

センニンフグ


このフグ、フグ科の中でも飛び抜けて変わった形をしています。

まずは、目。

センニンフグ

何だかフグっぽくない・・・微妙に長丸です。

そして尾鰭。・・・・フグっぽくない!

センニンフグ

普通、フグ科の魚は扇子を半分閉じたようなカタチをしているのですが
このセンニンフグは、三日月型をしています。しかも、尾の付け根が細い!

同じLagocephalus属のサバフグの仲間なども比較的細い尾柄をしていますが、センニンフグは一番特徴的です。

ギマなどはもっとしっかりとした尾びれを持ちますが、どちらにせよ少数派。

マグロやカジキなどの尾を思い出してみてみてください。
付け根が細くて、三日月型の尾というのは、一般的に高速遊泳する魚の特徴です。

センニンフグの尾鰭もしっかりと泳いでそうな尾鰭です。


センニンフグをじっくりと観察したのは初めてだったのですが、口のカタチがかなり面白かったです。

センニンフグ

この写真を見ると、まるでウサギの口と鼻のようですが、実は上のU字型のところが口です。

開くと、むにょ~ん。 
センニンフグ

この口で何を食べているのか気になるところです。

この個体は、DNA用のサンプルを切り出した後、標本にしました。

自然博物館では、主に和歌山県内で捕れた魚の標本を集めています。
「変わった魚を釣った」「この魚の名前が判らない」といったことがありましたら、自然博物館に寄贈いただければ、この上ない幸せです。

ご寄贈いただきましたY.Nさん、誠にありがとうございました。


■標本データ
センニンフグ Lagocephalus sceleatus
フグ目フグ科
採集場所:和歌山県日高郡印南町沖 水深30m
採集日:26 Nov. 2010
採集方法:釣り
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