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何度も新聞などで報道されましたので、ご存じの方も多いと思いますが、和歌山県有田川町の鳥屋城山から、恐竜時代の海にすんでいた巨大爬虫類「モササウルス」の化石が発見されました。

<参考>
2011年の発表
2010年の発表


 現在、来年2月の特別展「発見!モササウルス」にむけて、化石の惨状 産状レプリカを作成しています。
産状レプリカとは、化石が埋まっていたときの様子がわかるように、ある程度(おおむね片面)を掘り出した状態で作るレプリカの事です。骨の形などを研究するためには、埋まっている岩(母岩ぼがん)からすべて取り出さなくてはなりません。しかし、そうすると骨と骨との位置関係はわからなくなってしまいます。
 そこで、一度産状レプリカを作っておいてから、残りのクリーニングを行います。

 産状レプリカの制作は、東大阪の「大成モナック」さんにお願いしています。
 もともと化石のレプリカなどを専門にされていたわけではないそうですが、この度制作にチャレンジしてくださいました。

 昨日、小原学芸員とともにレプリカの制作の様子を取材に行ってきました。
 これが制作途中の脊椎骨と肋骨、前足のレプリカです。
写真6

 こんなに大きなレプリカですが、とても軽く簡単に持ち上げられます。
写真のモデルは制作担当の方です。
 前足の部分は塗装の途中ですが、それでも触らなければ本物と見まごう出来です。

写真4

 小原学芸員が、自分の体でモササウルスの状態を示しています。
右前足を体の下にして、左半身を上にして海底に横たわっていた様子がよく判ります。

写真1
 素晴らしい出来にご満悦の様子。こんなに軽いのは、素材に「発泡ポリウレタン」を使っているからだそうです。今後、レプリカの貸出や、移動、展示などで、この軽さが非常に良い結果を生みそうです。
 ひょっとしたら、これからのレプリカ制作のスタンダードになるかも?
 ちなみに、写真に写っているレプリカは、まだまだ一部分。現在わかっているだけでも、下顎のパーツや左前足、沢山の脊椎骨、後ろ足などが見つかっており、現在レプリカ製作中やクリーニング中です。

 今年度の特別展では、すべての化石のクリーニングは終わりませんが、産状レプリカはすべての化石を制作予定です。
 とりあえずは、2月からの特別展をお楽しみに!!