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毎年恒例の、夏休み合宿企画。
今年度は「磯の生物子ども博士コース」が開催されました。

7月27日から30日の3泊4日の日程で、本州最南端、串本町潮岬に行ってきました。

=1日目=

集合はJR串本駅。和歌山市内や遠くは大阪府からも参加者が集まりました。
なかには、初めて1人で電車に乗った子も・・・
ちょっとした夏の冒険です。

自然博物館に良く来る子、行事に初めて参加する子など様々。
初めての子はちょっと緊張気味。

無事に全員そろったところで、バスに乗って宿舎である潮岬青少年の家に向かいました。

荷物を置いたあと、早速近くの漁港に釣り採集に出かけます。

磯博士

糸とおもりとウキとハリだけのシンプルな仕掛けで、釣りに挑戦!
さすがは本州最南端!釣れてくる魚も様々です。

イトヒキアジやニシキベラ、クロホシフエダイ、ハリセンボンなどいろんな魚が釣れてきます。

釣れた魚は後日実習で使うので、冷蔵で保存!

かなりの種数が釣れ、初日は終了!

=2日目=
2日目も午前中は釣り採集。
昨日ほどは釣れません。
時間帯によって魚が釣れたり釣れなかったりすることを体感したところで、串本漁港へ移動します。

本当は朝早くの水揚げを見たかったのですが、移動手段がないため昼のセリを見学します。
やはり、昼のセリは魚は多くなかったのですが、
ハモやカツオ、カサゴやイトヨリ、そして巨大なヒレナガカンパチなどを見ることが出来ました。

初めて魚市場に行った子どももいて、かなり好評でした。

磯博士
巨大なヒレナガカンパチ。

さて、本来は午後から昨日捕った魚を使って標本を作り、スケッチをするつもりだったのですが、どうやら明日の天気は荒れそうな予感。
少々の雨で風がなければ大丈夫ですが、少々といった雰囲気ではなさそうです。

そこで、日程を変更しとりあえず午後から磯の生物観察に出かけることにしました。

磯博士

潮岬の巨大な潮だまりで観察です。
残念ながら少し波があるので、サンゴの生息している所まではいけませんが
十分にたくさんの生きものを観察することが出来ます。

このタイドプールには沢山のニセクロナマコが生息していますが踏みつけたり強く握ると白いネバネバしたキュビエ氏管というものを吐き出します。
これが軍手などにつくとなかなかとれません。

子どもたちはおもしろがって握ったり、果てにはナマコが空中を飛ぶ始末・・・
おいおい!彼らも海の中では大事な役割をしているんだぞ!
もちろん注意もします。

磯博士
女の子も奮闘します。

なかなか興味関心の強い子が多く、連れて行ったこちらも連れてきがいがあります。

採集している子どもたちを見ていると、いろんな特徴があって興味深いです。
1種類をひたすらさがす子、広範囲をうろうろする子、ピンポイントで粘る子。
思考も特性も様々ですね。

宿舎に帰ったら、みんなで名前を調べます。
磯博士
山名学芸員から毒のあるウニについてのレクチャーも!

ほんの2時間ほどの採集でしたが、30種類以上の生きものを確認できました。

2日目の夜は、潮岬の特徴や、潮の動きと魚の摂餌について、黒潮の話など3人の学芸員から
脱線しまくりのレクチャーを受けました。
誰も寝なかったのは偉い!

結構真剣に聞いてくれましたよ!

=3日目=
無情なる天気予報はしっかりと当たります。
雨降りで、ちょっとフィールドは悩ましい感じ。

今日は昨日できなかったスケッチをすることにしました。

まずは、名前を調べてから鰭立て、固定をし、標本を作ります。
磯博士


固定できた魚をよく観察してスケッチをします。
磯博士


ここでも様々な個性を発揮してくれます。

細かく細かく書き込む子、迷い無く筆を進める子など・・・

本来ならば、色は塗らないのですが、今回は塗ってもらいました。

なかなか美しい作品も多く、後日館内の掲示板に張り出そうと思っています。




天候に恵まれなかったため、思う存分屋外で!というわけにはいきませんでしたが、
帰り際「あと一週間くらいいたかった!」
などと言ってくれる子どももいて、みんな満足してくれたのではないかと思います。

来年以降も、様々なプログラムを用意いたします。

夏休みのちょっとした冒険、いいですよ~