ここのところ、潜水続きでちょっと楽しいです。
今日は、白浜町で潜ってきました。
やはり、海南とは魚種も違うしサンゴもあるしだいぶ南に来た感がありますね!
今日は透明度も良かったです。

さて、私の腕ではそんなにたくさんの魚は捕れませんので、いくつかお持ち帰りしてきました。
その中から、今日の一匹はこの子です。
ハナキンチャクフグ
ハナキンチャクフグという名前のフグです。
フグの仲間は、愛嬌があってかわいいですね。人気があるのがよく判ります。
シマキンチャクフグとノコギリハギはそっくりさんで(一部で)とても有名ですが、
そのシマキンさんに良く似たフグさんです。
ちょっと赤系のもようが強いのが特徴です。

他にも、以前資料提供して大人気だったノコギリヨウジも久しぶりに採集してきました。
しっぽのもようが、ムンクの叫びみたい!と好評です。
のこぎり


ぜひ会いに来てくださいね!
(生物の展示は予期せず終了する事が多々あります。なにとぞご了承下さい。)
■標本データ
ハナキンチャクフグ Canthigaster coronata
フグ目フグ科
採集場所:和歌山県白浜町沖 水深6m
採集日:10 Oct. 2012

キリンミノ1

今日は、水温データロガーの回収がてら、和歌浦湾に採集に行きました。
前回(9月)はハナミノカサゴ、前々回(8月)はミノカサゴが捕れたのですが、今回はキリンミノカサゴが捕れました。採集は山名学芸員です。
ミノカサゴやハナミノにくらべ小型のミノカサゴ類です。他のミノたちと同様、鰭の棘には強い毒があるので注意が必要です。

種小名はzebraで、まさしくキリン・・・あれ?ゼブラはシマウマ、キリンはジラフ。
少なくとも、和名は学名から名付けたものではなさそうです。

見分けるポイントは、尾の付け根(尾柄)の模様がT字型というか、カタカナのトの字型になっている事。
あと、目の上に長い突起(眼上皮弁)があることです。

キリンミノ2

この辺を抑えておけば、まず間違いありません。

さてさて、来月は何ミノカサゴが現れるか・・・・もう、出そうな物は出てしまった感じですが、楽しみです。

■標本データ
キリンミノカサゴ Dendrochirus zebra
カサゴ目フサカサゴ科
採集場所:和歌山県海南市沖 和歌浦湾 水深3m
採集日:08 Oct. 2012


ちなみに透明度は水平方向で3m、濁りがなかなか取れません。
確認した魚種は37種でした。
スジコバン

有田の漁師さんから「コバンザメいるかぇ~?」と電話を頂き、受け取りに行ってきました。
見てみると、何だか黒い・・・・そして小判が小さい。

普通のコバンザメではないのは明らかなのですが、あいにくコバンザメの仲間はコバンザメと
オオコバン(これはかなり稀)しかじっくり見た事がないので、お持ち帰り後、図鑑で調べてみ
ました。

背中の小判のヒダヒダの数がポイントなのですが、そのあたりを調べるとスジコバンという種類
である事が解りました。

和歌山ではコバンザメよりは珍しいようです。

平嶋学芸員の手にくっついて持ち上げられるくらいの吸引力はあるようです。

現在、きらめく海の水槽でくっつくものが無く、仕方なさそうに配管パイプにくっついています。
探してみてくださいね。

ちなみに、コバンザメはサメではなくスズキ目に属する硬骨魚類です。
昨日のこと、とある漁協の方から連絡があり、
「リュウグウノツカイみたいな魚が捕れた」
とのこと。

ということで、今日は朝から漁港へGO!

漁船のクーラーボックスにどーんと入っていたのは、
テンガイハタ
テンガイハタでした。

リュウグウノツカイほどではないにせよ、珍しい魚です。
和歌山沖では底引き網でときおり混獲されます。

リュウグウノツカイと同じアカマンボウ目に属し、同属のサケガシラという魚もいますが
分類はまだハッキリしないようです。

おでこの絶壁っぷりで見分けるようなのですが、正直言って判断に困ります。
今回の個体は、そこそこテンガイハタの特徴があらわれています。
サケガシラだと、もう少し頭部背縁から吻端に掛けての傾斜が緩やかなようです。

テンガイハタ

最近、この属の標本が少しずつ集まって来ていますので、将来分類学的な再検討がなされる際には
ぜひとも活用していただきたいものです。

計測、計量後、少しだけ一般公開してDNA解析用のサンプルを取り、冷凍しました。
計量中に卵が出てきましたので、メスのようです。

そろそろ冷凍庫がいっぱいになりそうです。


とりあえず、頭部の写真を撮りためて、比較してみるのも面白いかも知れませんね。

貴重な標本を提供していただいた漁師さん、誠にありがとうございました。
また、何かありましたらよろしくお願いします!

■標本データ
テンガイハタ Trachipterus trachypterus (Gmelin)
アカマンボウ目フリソデウオ科
採集場所:和歌山県日高郡美浜町日ノ御埼沖 水深100m
採集日:17 Dec. 2010
採集方法:底引き網
全長:2032mm 
湿重量:17.2kg
今日は宿直なので、駐車場と玄関回りののぼり旗を片付けていると、車が一台停まり
「フグを見てもらえませんか?」と言われました。

どれどれ・・・とクーラーの中身を拝見すると、巨大なつぶらな瞳が入っています。

「センニンフグだ!」

この特徴的なシルエットと、長丸い目は他にありません。
時々は捕れるものの、県内ではあまり数の多いフグではありません。
「見たことがないフグなので名前が判ってよかったです。よろしければもらってください。」
ということで寄贈いただきました。

センニンフグ


このフグ、フグ科の中でも飛び抜けて変わった形をしています。

まずは、目。

センニンフグ

何だかフグっぽくない・・・微妙に長丸です。

そして尾鰭。・・・・フグっぽくない!

センニンフグ

普通、フグ科の魚は扇子を半分閉じたようなカタチをしているのですが
このセンニンフグは、三日月型をしています。しかも、尾の付け根が細い!

同じLagocephalus属のサバフグの仲間なども比較的細い尾柄をしていますが、センニンフグは一番特徴的です。

ギマなどはもっとしっかりとした尾びれを持ちますが、どちらにせよ少数派。

マグロやカジキなどの尾を思い出してみてみてください。
付け根が細くて、三日月型の尾というのは、一般的に高速遊泳する魚の特徴です。

センニンフグの尾鰭もしっかりと泳いでそうな尾鰭です。


センニンフグをじっくりと観察したのは初めてだったのですが、口のカタチがかなり面白かったです。

センニンフグ

この写真を見ると、まるでウサギの口と鼻のようですが、実は上のU字型のところが口です。

開くと、むにょ~ん。 
センニンフグ

この口で何を食べているのか気になるところです。

この個体は、DNA用のサンプルを切り出した後、標本にしました。

自然博物館では、主に和歌山県内で捕れた魚の標本を集めています。
「変わった魚を釣った」「この魚の名前が判らない」といったことがありましたら、自然博物館に寄贈いただければ、この上ない幸せです。

ご寄贈いただきましたY.Nさん、誠にありがとうございました。


■標本データ
センニンフグ Lagocephalus sceleatus
フグ目フグ科
採集場所:和歌山県日高郡印南町沖 水深30m
採集日:26 Nov. 2010
採集方法:釣り