平成28年5月7日(土)、談話会「モササウルスについて語り合おう」が開催されました。
和歌山県有田川町の鳥屋城山(とやじょうさん)で発見されたモササウルスですが、ようやくクリーニング作業が終わり、一つの節目を迎えました。
今回の談話会では、これまでの振り返り、そしてこれからの展望について熱く語られました。

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まずは、当館学芸員の小原による基調講演「モササウルス発掘秘話」。
現北九州市立自然史・歴史博物館の御前さんによる最初の発見から、1次発掘、大規模な2次発掘、クリーニング作業と、これまでの経過をわかりやすくお話ししました。
実際に作業にあたっていたからこそできるリアルな話で、化石が現在の形になるまで、膨大な労力と時間がかかっているのがよく分かりました。

モサ演奏

次に、大の恐竜・古生物ファンであるというサックス奏者、本多俊之氏と「和歌山”モサ”記念サックス五重奏団」による、モササウルスをイメージした新曲のお披露目がありました。
狭いレクチャールームならではの生音の迫力、まるで白亜紀の海が目の前に広がるかのような(見たことないですが)臨場感あふれる曲で、とても素晴らしかったです!
新曲の音色に乗せて、モサももっと盛り上がってくれるとおもいます!


パネルディスカッション
最後は、モササウルスにさまざまな形でかかわる7名(本多さんはコンサート準備のため、残念ながら途中退席)による談話会。
大阪大学の伊藤先生による名司会も相まって、アート、研究、地域の若者など様々な目線からモササウルスの魅力について語り合いました。

最後の総合討議では、会場から「タマ電車ならぬ、モサ電車を走らせてはどうか?」などといったアイデアも飛び出し大いに盛り上がりました。

さまざまな人が集まり、モササウルスについて語り合う、とてもよい談話会だっと思います。

最後になりましたが、このたびのイベントの共催ならびに御助力頂きました、わかやまワッパプロジェクトの皆様、ボランティアの皆様、誠にありがとうございました。

参考
談話会パネリスト(敬称略)
・本多俊之(サックス奏者・恐竜に対する造詣が深い)
・小原正顕(和歌山県立自然博物館主査学芸員・モサ発掘担当)
・川崎悟司(古生物イラストレーター)
・古田悟郎(海洋堂・モササウルスの生態復元フィギア制作)
・長野泰幸(大成モナック・モサ産状レプリカ等制作)
・宇都宮聡(化石ハンター・泉南にてモササウルスを発見)
・角谷亜門(ワッパ塾・恐竜と昆虫大好き中学3年生)
自然博物館では和歌浦湾内のマリーナシティ北側、水深約5mにある自然博物館海水取水口に水温データロガーを設置し、水温のモニタリングを行っています。
長い間同じ場所で計測することによって、環境の変化を知ることができます。
また、この情報は自然博物館だけではなく大学などの研究に役立てられることもあります。

以前は、マリーナシティの内側にある毛見崎で学芸員が一日一回表層の水温を計測していましたが、さまざまな事情により現在はロガーによるモニタリングに変更しています。
データロガーというのはなかなか便利な道具で、こちらが設定した間隔で文句も言わずにデータ(この場合は水温)を取ってくれます。
ウチのデータロガーは、一時間に一回、毎時00分に水温を測る設定になっています。

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これが、設置されている水温データロガーです。
黄色い丸いものを水中に設置し、時々データの回収のために海に潜ります。
グレーの筒状のものはシャトルといって、データを回収してくれる道具です。
赤外線通信でロガーの中に蓄積されたデータを吸い出してくれます。
水中にも持って入れるため、ロガーが設置されている場所でデータの吸い出しをして、あとは博物館でデータを読み出せばOKです。

2013-2016和歌浦湾水温変化 (640x365)

そして、これが2013年~2016年4月11日までの水温変化グラフです。
冬の低水温気には10度程度、夏の高水温期で30度弱を推移しています。
グラフから2013年の夏は、他の2年に比べて水温の変動が大きいのが分かります。
この年は冷夏か雨が多く、水温が下がったのかな?とおもって調べたところ、2013年は記録的な暑い夏だったようです。
水温の変化は、気温だけでなく海流の影響なども大きく受けますので、きっと2013年は2014年、2015年とは違った海流か何かの動きがあったのでしょう。

また、2013年度から2014年度、2014年度から2015年度で、それぞれの期間全体を通しての平均水温が0.3℃ずつ上昇していました。まだ3年の積み重ねしかないので何とも言えませんが、今後水温データを積み重ね、生物などのデータとあわせることによって、身近な環境の変動が明らかになってくることでしょう。

こういった情報は、時間を巻き戻して過去のデータを集めるわけにはいきません。
役立てるためには、普段から意識的に積み重ねることが大切なのです。
地学担当の小原学芸員が那智勝浦町から面白い化石を採集してきました。
先端のとがった螺旋を描くこの化石、ドリルの先端のようにも見えますが、正体はなんなのでしょう?



なんとなくお気づきかとは思いますが、これは巻貝の化石です。
ただし、貝殻がそのまま残っているのではなく、貝殻の中に泥がつまり、そのあとで貝殻だけが溶けてしまったという、
「貝の内側の印象」の化石です。
これがメノウやオパール化したものは「月のお下がり」という通称で、石屋さん(石が好きな人たち)の間では有名です。

残念ながらこの化石はメノウなどではなく砂岩でできていますが、表面をよく見るとキラキラと輝く粒が見えました。
小原学芸員によると、水晶やパイライト(黄鉄鉱)の小さな粒だろうとのことです。

この化石が見つかったのは熊野層群で、およそ1600万年前にできた地層です。
おそらくキイキリガイダマシであろうというとのこと。
同じ貝は紀伊半島西側の田辺層群でも産出するのですが、こちらは綺麗に殻が残っています。
なにか二つの地層で、環境などが違ったのかも知れません。

1500万年以上という、とてつもない時間をへて我々のもとへ現れた化石。
昔の環境や生態系を想像すると、何とも言えないロマンを感じるのは私だけでしょうか?
最近はFacebookに頼りきりで、ブログを全く更新していませんでしたが、やはりブログも大事だなぁ・・・
と思い直しましたので、更新したいと思います。
三日坊主にならないよう、頑張ります!

さて、今日は当館のイベントの中でも1,2を争う人気行事、「恐竜をさがせ!!」が開催されました。
毎年多くのご応募があるのですが、今年も1082名のお申し込みから、厳正な抽選で選ばれた約100名が参加されました。

例年、このシーズンは天候が不安定なのか、今年も開催日のみ雨の予報。
今年こそ雨天中止か?と思いましたが、途中少しパラパラと雨が降ったものの、ほぼ曇りで開催することができました。

担当学芸員の小原の恐るべき強運か?はたまた、参加者のみなさんの熱意によるものか。
16年間この行事を行っていて中止になったのが、2010年のチリ地震で津波警報が発令されたときのみ、というのはまさに奇跡と言ってもいいのではないかと思います。

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集合場所で恐竜化石の実物を見て、探し方のコツを学んだあと、採集場所へと移動。

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採集場所の海岸では、みんなが一生懸命ハンマーを振るい、無心に化石をさがしました。

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化石らしいものがあったら、学芸員や特別講師の方々に聞くと、その場で教えてくれます。

この場所の地層は、海で出来た地層ではなく、汽水域で出来た地層だと考えられています。
そのため、海の生き物であるアンモナイトは見つかりません。
その代り、多くの二枚貝や巻貝などが見つかりました。

残念ながら、恐竜発見!!とはいきませんでしたが、みなさん何らかの成果はあったのではないでしょうか?

最後に、小原学芸員から採集した化石を標本にするための方法を教わり、本日の行事は無事終了とあいなりました。

今回は、なぜか遠距離からの参加者がちらほら・・・千葉県や熊本県からもお越しでした。

また来年度も予定していますので、ぜひお申込み下さいね!
ウツボの仲間はウナギ目の中でも種類が多く、まだまだ未記載種の多い分類群です。
日本には現在57種のウツボ科魚類がおり(中坊ら2013)、黒潮の影響が強い和歌山県にも
24種以上のウツボが生息しているようです。

種類の多さや、飼育が比較的簡単な事などから、実は結構ウツボ好きは多く、飼育を楽しん
でおられる方も多いようです。
当館の常連さんでウツボマニアの方がおられ、ちょくちょく魚を寄贈していただきます。

今日はやや深い所に住むアデウツボというキレイなウツボをいただきました。

アデウツボ

口の中が黄色で、非常に美しいウツボです。
手持ちの図鑑では生息地に和歌山県が入っていませんが、実は記録があり、
当館にも和歌山県産の標本があります。

頂き物のおかげもあって、現在当館では
・アデウツボ
・アミメウツボ
・アミウツボ
・ウツボ
・トラウツボ
・ヘリシロウツボ
・コケウツボ
・ハナヒゲウツボ
・ハナビラウツボ
・サビウツボ
・オナガウツボ
・ハワイウツボ
・ワカウツボ
・ヒダウツボ
・ニセゴイシウツボ(順不同)
の15種を飼育、展示しています。

和歌山産ウツボ科コンプリートは難しいでしょうが、
可能な限り沢山のウツボを展示できたらいいなと思っています。

いろんな種類があって、愛嬌のあるウツボたちに会いに来て下さいね。